街灯に蟷螂独り照らされて
思わず我も
じっと祈らん
虫の声
セックスしたいと泣き喚く
一度くらいは真似してみたい
夜道一人
聴こえるは唯虫の声
泣きたいのはこっちの方だ
秋風がやけに冷たいこの頃も
誰も我には
秋波送らず
新聞を配りし人とすれ違い
今日も朝日を
ここで迎える
文筆で
金を稼ぎし人々は
この感情を何と名付ける
今は唯
口を開けば恨み節
咳をするのも憚るこの身
居た堪れず
三畳間から逃げ出して
益体もない歌を詠む夜
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